- 沖縄移住を決めたけど、不安だな…。
- 沖縄の生活になじめるかな…
- 事前に確認することを知りたい!
憧れの沖縄移住を決めたけれど、海を渡り風習も違う沖縄での生活に、不安をもっている方も多いのではないでしょうか。
沖縄県への移住者は毎年2万5千人以上いますが、その半数以上はすぐに沖縄移住を辞めて帰ってしまうという現実があります。
転入者数 | 転出者数 | |
---|---|---|
2020年 | 28,522人 | 26,837人 |
2021年 | 26,844人 | 27,051人 |

転入してきた人数と同じくらい転出してるんだね!



私も1回目の移住は1年半で帰っています。
私は2回沖縄移住をし、現在も沖縄移住生活を続けていますが、1回目の時は心構えができていなかったなと感じています。
あなたがそうならないために必要な心構えと確認すべきことを5つまとめたので、移住前にチェックしてくださいね!


私:アラサー
主人:アラサー
息子:3歳(移住時1歳)
家族で沖縄移住に必要な心構え


沖縄移住を決めたあなたはわくわくする日々を夢見て胸を躍らせているのではないでしょうか。
私もずっと好きだった沖縄県への移住が嬉しくて、毎日が楽しいものになると信じていました。
- 数えきれないほど沖縄へ旅行に行ったのだから、だいたいのことはわかる
- 沖縄の人はみんな優しいから大丈夫
- 都会暮らしに疲れていたから、のんびり暮らせるだろう
みんな同じように考えて沖縄移住を決め、そして大半の人は帰っていきます。
移住してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に今一度知ってほしいことがあります。
楽しいことばかりではない


沖縄は「南国暮らし」「のんびりできる」「毎日楽しい」とイメージする人が多いと思います。だいたい旅行に行って楽しかったのでそのようなイメージができたのではないでしょうか。
でも強く言えることは「旅行で行くから楽しいのだ」ということです。旅行に行くのと住むのでは状況が全く違います。
基本的には旅行先で触れ合う人たちにとって私たちは「お客様」ですが、住むとなると少し悪い言い方ですが「よそ者」なわけです。
沖縄の人たちは地元愛が強く、地元出身者と県外出身者を明確に区別します。
沖縄の人は本州から来た人のことを「ナイチャー」と呼びますが、これには少なからず差別的な意味合いが込められていることを知っておかなければなりません。
仕事をしていても「あの人はナイチャーだからさ~」「なんだナイチャーか」という会話が日常的に聞こえてきます。
差別しようとして言っているわけではない、深く考えず軽い気持ちで使っている、ということもわかっていますが「私たちとは違うからさ~」と言う意味が込められていることは否めません。
この「ナイチャーだからさ~」の違和感はあなたも必ず体験することになるでしょう。



露骨に避けられているわけではない。でも輪の中に入れてもらえない雰囲気を感じるのがわかると思います。
そしてナイチャーが嫌い、もしくは私たちの仲間ではないから無関心、という人も多いです。
「沖縄の人はみんな優しいから、ご近所さんと仲良く助け合って暮らそう」と思っていても「ウチナーンチュ(沖縄の人)の輪」は固く、ナイチャーは簡単には受け入れてもらえないということを知っておいてください。
このことに関して嫌な思いをすることもあるかと思います。私も露骨に「こんのナイチャーがよ!」と知らないおじいさんに言われたこともあります。
夢見た移住生活は楽しいことばかりではありません。想像以上に壁を感じ、寂しい思いをすることもあります。
この「ウチナーンチュ」と「ナイチャー」の壁にうんざりするのか、当然のものと受け入れて生きるかによって移住生活が続くかが決まります。
自ら歩み寄ることが大切


沖縄移住者が沖縄の人とうまくやっていくには、大きく異なる沖縄の価値観や風習を全て受け入れる覚悟で生活することです。
移住者は「よそ者」というマイナスからのスタートなので、自分の常識を振りかざしていてもその距離は縮まることはありません。
移住後も今までの常識や価値観を貫こうとする移住者は嫌われます。
沖縄には沖縄の文化や歴史の元にできあがった価値観やルールがあります。それを「おかしい!」「間違っている!」と思っている間は沖縄での生活は上手くいきません。
これができない移住者は総じて内地(本州)へ帰って行ってしまいます。
うちなータイムのエピソード


例えば、沖縄には「うちなータイム」というものがあります。うちなーとは、「沖縄の」という意味。
このうちなータイムにまつわるエピソードですが、私以外が全員沖縄の人で15人で飲み会をする日がありました。
20時に集合~!と連絡が来ましたが、さて、あなたなら何時にお店に向かいますか?
私は10分前には到着しましたが、一番でした。20時を過ぎても人が来る気配はありません。
15分ほど過ぎたころには5人ほど集まりましたが、まだ1/3しかいません。
30分過ぎたころやっと10人が集まり、残りの人に連絡してみると「今から家を出るよ~」「さっき帰ってきたからシャワー浴びてから行く」と、こんな感じなわけです。
やっと全員集まったのは21時でしたが、誰一人怒る人はいません。これが沖縄のうちなータイムです。
本州では待ち合わせの5分前には到着、遅れるなら連絡するのがマナー。特に理由もなく飲み会に1時間も遅れてくる人がいれば「なんだアイツは」と思われますよね。
電車が1分遅れただけでもお詫びのアナウンスが入るような時間の制約の中で生きていた私にとっては、衝撃でした。



5分前行動って学校で習ったよね~!
うちなータイムは、「時間にルーズ」だという意味だけではありません。時間に追われ自分らしさを見失っていないか?時間に縛られて不幸になってはいけない、時間よりも心の豊かさを大切にしようよという考え方が根底にあります。
沖縄では、時間とは単なる時の流れであり、目安でしかありません。
本州の感覚で「時間を守れないなんて社会人として失格だ!」「連絡もよこさないなんてマナーがなってない!」と自分の意見や主張を言っても、ここは沖縄…。あなたのルールの方が、異端なのです。
「郷に入れば郷に従え」の言葉通り、沖縄の人に自分から歩み寄り理解して受け入れることが大切です。



もちろん仕事に関してはみんな時間を守ってますよ!
家族で沖縄移住の際に確認すべきこと5選


沖縄移住する人を私を含めたくさん見てきました。
「こんなはずじゃなかった」と帰ってしまう人の理由は様々ですが、その経験の中で移住者が絶対に確認すべきことを5つ挙げました。
夢の沖縄移住が失敗に終わらないためにぜひ確認しておいてくださいね。
移住する目的を明確にする
なぜ移住するのか?何がしたいのかが明確でないとふらふらしてしまいお金が尽きて帰ることになります。
私が話した移住者でもこういう人が沢山いました。
- なんとなく来てみた
- なにかを探している
- のんびり考える
「日雇いのバイトしながら、自分が何がしたいのかゆっくり考えるよ~」と言っていた人が3カ月後には貯金が尽きて帰ったとか、何もせず毎日遊んでいた子がお金が無くなって水商売を始めたみたいよ、など沢山聞きました。
「3カ月移住してのんびりしたかった」というならこれでいいのですが、「お金が無くなってしまったから帰る」なら移住は失敗していますよね。
移住して暮らしていくのにもちろんお金がかかります。
- 何をするために来たのか
- どうやって生計を立てるのか
この2点は必ず明確にしてから移住しましょう。



私はこの2点がぼんやりしていましたね…
家族がいるならなおさらのこと、「なんとなく」「なんとかなる」と曖昧にせず、目標ややるべきことを明確にして沖縄移住に挑みましょう。


沖縄の賃金は安い


沖縄県の最低賃金は全国ワースト1です。2021年にやっと700円台から抜け出し、820円になりました。
東京の最低賃金は1041円ですから、同じ時間同じようにコンビニバイトしていても、一時間で221円もの差があります。
関東の平均年収は422万円ですが、沖縄県の平均年収は336万円…なんと80万円以上の差があります。
沖縄県は全体的に賃金が低く、貰えるお給料が低いことを理解しておいてください。



でも、そのぶん物価とか家賃とか安いんでしょ?



そんなことないから、給料が低いと生活が苦しいのよ…
物価が安いということは全くありません。むしろ飛行機で運んでくる分輸送費がかかるので高いです。
沖縄にはスーパーといえば「サンエー」「りうぼう」「かねひで」などほぼ決まったスーパーしかなく、競合があまりいません。競り合う必要がないので価格も高いなと感じます。


沖縄県産のもの以外は、関西で住んでいた頃より物価は高いイメージです。
家賃も、那覇から離れれば離れるほど下がりはしますが、比較的都心よりに住むのならばそんなに安くはないです。
- 那覇の隣の浦添市
- 3LDK(狭い)
- 駐車場代・共益費・強制ウォーターサーバー代別
これで8万6千円でした。そりゃ古い建物になればなるほど安くはなりますがね…。



だから給料が低いと生計を立てるのが大変です。
私は1度目の移住後は資格の勉強をしながら、貯金の切り崩しと失業保険で生計を立てていました。
失業保険の給付が終わりバイトをしようかと思いましたが、時給の低さにガックリきて申し込むことができませんでした。
当時の沖縄の最低賃金は600円代で、飲食店なんかは最低賃金のところも沢山ありましたし、深夜のファミレスでも730円だったのを覚えています。



私は高校生のアルバイトでも900円もらってたよ…?
資格取得後に就職活動をしたとき、給料の低さに愕然としました。低いとは知っていましたが、本当にどの求人も低いです。総支給15万以下とか山ほどあります。
私の新卒給料よりはるかに低かったですね…。
20万円以上の求人は
- 本州の企業で沖縄支店がある会社
- 看護師や薬剤師などの資格が必要な職種
- プログラマーやエンジニアなどの専門知識が必要な職種
- 不動産やIT、医療系の営業職
などがありましたが、飲食店や観光業、事務職は総じてお給料が低い印象です。
同時期に友人がITエンジニアとして就職していましたが、お給料は25万以上もらえているそうなので、手に職がある方は有利ですね。
ちなみに私はこの沖縄の賃金の低さがネックになり、一度目の移住を断念することに。
同じ仕事をしても十万ぐらい給料が違うなんてやってられない!と関西に戻り就職しました。
再び移住した今は、それはもう受け入れるしかないので…。安月給で働いております(笑)



フルタイム勤務ですが、本州で働いていた頃の半分の給料になりました(笑)
これもまた本州の常識で語ってはいけないところです。これは沖縄の常識であり、ルールなのだから。


沖縄の文化を知っておく
沖縄の人たちに歩み寄るには沖縄の文化を知っておく必要があります。具体的には以下のようなものです。
- しまくとぅば(方言)
- 伝統工芸
- 伝統芸能
- 沖縄の音楽
- 食文化
沖縄の人たちとの会話の中で、こういったものに触れる機会は沢山ありますが「何も知りません」という態度では距離を縮めることはできません。
沖縄の人はしまくとぅばを大切にしている人も多くいて、「しまくとぅばの日」があったり、県民運動も行われています。
方言を勉強しろというわけではなく、「沖縄の人にとって大切なものなんですよ」ということを知っておいてほしいということです。
「なんて言ってるかわからんw日本語?w」なんて笑う旅行者もいますが、そういう態度では沖縄の人たちには到底受け入れてもらえないということです。
沖縄の歴史を知っておく
沖縄は昔、独立した国家「琉球王国」として栄え、激動の歴史を刻んできました。そのため日本の歴史や風習とは違うところが沢山あります。
そして忘れてはならないのが、戦争です。沖縄では凄惨な地上戦があり、多くの民間人が犠牲になりました。
終戦後も1972年に日本に返還されるまではアメリカ軍政下となり、今でも基地が残っています。
そういった背景から、沖縄の人たちにとって戦争は特別なものであり、深い悲しみがあるのです。
特にお年寄りの中には今でも本州の人間を激しく嫌う人がいます。戦争や基地問題がそうさせているようですが、県外の人に対して心無い言葉を言う人もいます。
沖縄で生きていくためにはそうした沖縄の歴史や背景を知っておかないと、こちらも失言してしまうことがありますので注意してください。


沖縄の人と結婚するということ


沖縄で暮らしていると誰かと恋に落ちて、結婚することもあるかもしれません。
しかし、沖縄の人と結婚するということがどういうことか知っておく必要があります。
沖縄は家系を継ぐことがとても重要視されています。どこでも長男の嫁は大変といいますが、沖縄の長男の嫁は相当な覚悟が必要です。



私、沖縄の長男嫁です…
沖縄は文化も風習も本州とは全く違います。
私の関西での親戚づきあいはお正月とお盆、冠婚葬祭ぐらいでしょうか…。そしてお正月だって見知ったおばあちゃんの家にくつろぎに行くといった苦でもない行事です。
沖縄はそれに加え、シーミーや旧正月といった行事もありますし、行事の一つ一つが本州と違いすぎてやることが多すぎます…。
シーミー(清明祭)とは…
旧暦の3月「清明」の時期に行われる沖縄お墓三大行事の一つ。親戚や家族が集まり、お墓の掃除をしたり食事をします。
特に集まる親戚の数がすごい数です。沖縄は出生率も高いので5人兄弟がまたそれぞれ3人以上産んで…そこからまた…が祖父祖母それぞれに生じます。



結婚式に300人以上集まるのは普通だよ!
本州では、親戚づきあいといってもせいぜい従姉妹とかはとことか…。自分の理解できる範囲でやると思います。
しかし沖縄の親戚付き合いは幅広すぎて、もう誰が誰か覚えきれません…!



ねぇ、今の人…誰だっけ?



わからない…
旦那ですら、わからない人が集まってきます(笑)
そういった行事を率先して取り計らうのは家計の長である長男!…の嫁です。(笑)
親戚がめちゃくちゃ集まる中ものすごい量の食事と酒を用意して世話をします。男性は座って飲み食いしています。
私はこの女性だけがテーブルに着くことなく料理と配膳をし続ける…ということに納得できず旦那にめちゃくちゃキレました。
私の地元ではそんなことありえないし、みんなで楽しく飲み食いすればいいのにと思っています。
でもそれが、沖縄の文化…沖縄のルール…沖縄の嫁になるということです…。
長男は特に大事にされ、親戚から特別視されるのでその嫁は特に大変です。次男の嫁であってももちろんこの集まりの料理や配膳を手伝うことになるので覚悟してください!笑
お嫁さんが沖縄の人の場合でもこの親戚づきあいは必ずありますので、男性の方も本州の人と同じように考えて結婚したら、大変かも…!


まとめ
家族で沖縄移住に必要な心構えと確認すること5選を解説しました。
沖縄移住は楽しいことばかりではありません。理想ばかり求めていたら失敗する未来が来ます。
沖縄は日本の中でも特に特別な歴史や風習があり、それを理解して歩み寄る努力をしないと沖縄移住は成功しません。
自分を含め、失敗して帰っていく移住者を見てきた経験から以下の5点は必ず確認すべきです。
- 移住する目的を明確にする
- 沖縄の賃金は安い
- 沖縄の文化を知っておく
- 沖縄の歴史を知っておく
- 沖縄の人と結婚するということ
なんだか、沖縄移住はつらくて苦しいみたいな記事になってしまいましたが決してそんなことはありませんよ!
こちらで紹介したことを理解した上で移住すると、こういうものなのだと受け入れられ、自分の中の理想との矛盾が無くなります。
それが移住を成功させるのにとても大切なことですよ。
沖縄で暮らすのは楽しいことも幸せなことも沢山あります。
あなたが沖縄に来ることを楽しみにお待ちしています!

